今求められているのは、AIやデータサイエンスの知識を持つだけでなくそれらの技術や知識を活用してイノベーションを生み出す人材です。また、これまで存在した分断を克服した繋がり(Communication)とそこから生まれる共同体(Community)に接続したイノベーションこそが新たな時代においては重要です。
本副専攻プログラムでは、新たなCommunicationとCommunityを総称してComm 5.0と呼び、AIやデータサイエンスの知識や技術を駆使して、Comm 5.0を構築できる人材(Comm 5.0アーキテクト)を輩出します。
大量生産と大量消費で発展してきた社会は、ヒトとモノの乖離やヒトとヒトとの断絶など、あらゆる階層に分断を招き入れてきました。AI・データサイエンスが広く利用されている現在、ヒトとヒトとの間に深くモノが入り込み、それらが一つのシステムを構成するようになります。ヒトの利便性を高める面もありますが、分断を促進する場合もあり、ヒトとモノとの新たな共生の在り方を模索していく必要があります。
4つの特色
Comm 5.0 AI・データサイエンス副専攻プログラムは、下記の4つの特色を有しています。
(1)AI・データサイエンスの応用力をつけるプログラム
本プログラムは、ヒトとモノの共生を実現し安心と安全を与える持続可能な共同体(Community)とそれを支える繋がり(Communication)を、AI・データサイエンスの知識と技術を駆使して構築できる人物を養成するためのプログラムです。
(2)ALL DOSHISHAの文理横断的なプログラム
自然科学系、社会科学系、人文科学系をまたぐ幅広い連繋が必要であり、本学がこれまで培ってきた文理融合の視座を生かして、大学院の教育と研究の在り方を全学的に再編していこうというプログラムです。
(3)社会が必要とするイノベーションを創造するプログラム
ヒトの発生、発達、成長、加齢といったヒトの生体のさまざまな情報を知るプログラムや、自分自身を知り、他人も知ることができるようになるプログラム、未来をディスカッションするプログラムを通じて、社会が必要とするイノベーションが創造できるプログラムから構成されています。
(4)社会との接点を学ぶミッション研究プログラム
産学の社会的連繋によってこれからの社会が直面することになる社会的課題を剔りだし、その解決を試みるための研究をミッション研究として定位し、Comm 5.0の在り方を問うためのプログラム内容です。
Comm 5.0を検討するために必要な能力
本副専攻プログラムでは、次の3つの能力を養っていきます。
(1)AI・データサイエンスを利用してComm 5.0を創り出す知性
ヒトとモノの共生を実現し安心と安全を与える持続可能な共同体(Community)とそれを支える繋がり(Communication)を、AI・データサイエンスの知識と技術を駆使して構築できる人物を養成するためのプログラム
(2)「繋がり」の中にあり「繋がり」のためにあるコミュニケーションを見定める感性
ヒトとヒト、ヒトとモノが融合的に連なりあって共同体を形成するとき、コミュニケーションは一つのシステムとして機能しており、それを可能にする新技術に対する感性を研ぎ澄ましていきます。
(3)未来の共同体を語る理性
現在われわれが持つ先端技術をベースに、将来の社会がどうなるのか、どうあるべきなのかを考察する道理を知ります。ヒトとヒト、ヒトとモノの両面が結びついて構築される共同体について目を向けます。